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RARA Newsletter vol.4のウェブ掲載 [読書記録・日記]

RARA Newsletter vol.4で私の研究についてのインタビューを載せていただきました。
CREST研究について詳し目に話しています。
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RARAアソシエイトフェロー採択とWebページオープン [読書記録・日記]

今年度からRitsumeikan Advanced Research Academy(RARA)のアソシエイトフェローに採択されました。CREST研究を中心に進めます。このページで研究内容をちょっと説明していて、もうすぐより詳しいインタビュー記事も出る予定です。
「研究連携で大切にしていること」に土日祝日夜は休むって書いておきました。倒れがちなので気をつけたいし、そうじゃなくても大事にしたい。
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『認知科学』30巻4号の記事

『認知科学』に西郷さんとともに執筆した、奨励論文賞受賞に伴う受賞者の言葉「不定性の可能性に向けて」が出ました。奨励論文賞を受賞した論文は「解釈の不定性の価値と量子認知による文章解釈研究の展望」です。量子認知をやり始めたきっかけなどを書いています。
また、同号の誌上討論「他者モデルの限界と可能性」の編集を担当しました(といっても私は事務補佐的です)。森 裕紀さんや新川 拓哉さん、宮崎 美智子先生など多様な方に書いていただき、個人的にはコメンタリーがとても面白い討論になりました。
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CREST「量子的認知状態の遷移とその効果:不定性の価値と制御」HP

暫定版CRESTのHPを学生さんにも手伝ってもらって作成しました。トップページの写真がgoogleのデフォルトから選んだなど適当ですが、内容とあわせてそのうち拡充予定。

CREST「量子的認知状態の遷移とその効果:不定性の価値と制御」HP
https://sites.google.com/view/indeterminate-qc/home
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日本認知科学会第40回大会 [読書記録・日記]

はこだて未来大学で開催された日本認知科学会第40回大会に参加してきました。
学生さんが発表してくれて嬉しかった。今回は私の発表(共著はあるけど)はなくて、そうすると、いまひとつ参加した感じが薄い。やっぱり発表した方が楽しい。

期間中の総会で、昨年度出版した以下の論文に2022年度日本認知科学会奨励論文賞をいただきました。ありがとうございます。異分野対話性を評価してもらえて嬉しかった。
布山美慕, & 西郷甲矢人. (2022). 解釈の不定性の価値と量子認知による文章解釈研究の展望. 認知科学, 29(1), 100-119.

前回は学位授与式と日程が被っていて、着物・袴姿でオンラインで受賞した気がする。それから考えると、5年か。長くてあっという間。

いま事務作業が多すぎて、夏休みなのに一切研究ができていない。嫌すぎて、本棚の整理をしそうになった。これが早く終わりますように。
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不定な文章理解研究について少し [読書記録・日記]

先日、認知科学が他の分野からどう見られるか、もうちょっと広くいうと、どういう関係を持っていくか、というような話をする機会があった。
それで、進めたい不定な文章理解研究に関連して思っていることを書いておこうと思う。

日本の最近の社会では(主語が雑に大きいが)、すぐに決めることやわかることに価値が置かれがちで、不確定なこと、迷うことはネガティブな印象をもたれやすいように感じる。たとえば、VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)は予想しづらくやりづらいという課題のニュアンスが強いと思う。
認知科学や神経科学でも、誤差最小化などに代表される、できるだけ思った通りに値を定めるように動くモデルが多くなっているように思う(曖昧な言い方だし、このモデルも良いけれど。それに揺らぎへの注目も常にあるものの)。
一方で、ウルフが第一次世界大戦中に「未来は暗闇に包まれている。概して、未来は暗闇であることが一番いいのではないかと考える(ソルニット『暗闇のなかの希望』 p.42の訳文より)」と言い、それを受けてソルニットが『暗闇のなかの希望』を書いたように、希望とは不確定な中で私たちが行動できるという場所にある。
私は不確定な文章理解を可能にする人の能力やその効果を見ることで、不確定な中での希望や行動の可能性を見てみたい。その意味で、(必ずしも量子確率に従うかわからないにせよ)多くの不確定な場所や状態とその価値を見ている多分野の研究と繋がり、交わっていきたい。加えて、量子確率に従う状態としては、それはなんでも良い状態ではなく(カオティックな真っ暗闇ではなく)、測る方法・問い方を決めたら確率分布としては定まる状態であって、その意味で数理的な予測や記述ができる(西郷・田口『現実とは何か』など)。この文脈では、数理的な研究や量子情報などと潜在的に関係できる。いずれの場合も、私はすごく勉強しないと議論できないけれど、こつこつ進めていかれたらいいなと思うし、一人でなくても良いかもしれない。
そんな風に思うと、わりといろいろなところに繋がるし、面白いのでは...と思うのでした。

気になった方はこのあたりも読んでみてもらえたら嬉しいです。
Fuyama, M. (2023). Does the coexistence of literal and figurative meanings in metaphor comprehension yield novel meaning?: Empirical testing based on quantum cognition. Frontiers in Psychology, 14, 1146262.
布山美慕, & 西郷甲矢人. (2022). 解釈の不定性の価値と量子認知による文章解釈研究の展望. 認知科学, 29(1), 100-119.


ある作家の日記 新装版

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  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2020/05/22
  • メディア: 単行本








〈現実〉とは何か (筑摩選書)

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  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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最近の発表と本など [読書記録・日記]

前の日曜日から火曜日まで量子認知のワークショップに行って、水曜日から今日(土曜日)まで授業がつまっていて、なんとか終わりました。
ワークショップはすごく楽しかった。そのうち、一部がyoutubeで公開されると思う。私のトークは未公開データを含むので公開しないけれど。
7月は終わりまでぎっしりつまっているので、まだ休めない...。

本は色々読んでいて、ちょっと前には小澤先生の『量子と情報』を読んでいた。文章が美しく、理解が深いのでものすごくわかりやすい。終わりの研究についての捉え方も心を動かされる。
今は夜にソルニットの『暗闇のなかの希望』をちょっとずつ読んでいる。
量子認知の論文とか直接研究に関係するものも読みたいけれど、私の中では繋がっている別分野の論文や本も読みたい。『暗闇のなかの希望』は好きで、英語版も買ってみた。
なかなか休めないけど、本当は、ゆっくり不確実性の中で色々なことをやりたい。

「Hope locates itself in the premises that we don't know what will happen and that in the spaciousness of uncertainty is room to act. (中略) It's the belief that what we do matters even though how and when it matter, who and what it may impact, are not things we can know beforehand. We may not, in fact, know them afterward either, but they matter all the same, and history is full of people whose influence was most powerful after they were gone(p.xii, The Canons edition)」

「希望は、私たちは何が起きるのかを知らないということ、不確かさの広大な領域にこそ行動の余地があるという前提の中にある。不確かさを認識することは、その帰結に影響をもたらせるかもしれないと気がつくことだ。それはあなたが一人でやることかもしれないし、数人、数百万人とおもに行うことかもしれない。希望とは未知や不可知のものを受け容れることであって、確信的な楽観主義や悲観主義とは違う。楽観主義者は、私たちが関与しなくても物事はうまくゆくと考える。悲観主義者はその逆だ。どちらも自分の行動を免除する。希望とは、いつ、どのように意味が生まれ、だれに何にインパクトを与えるのかあらかじめわからないとしても、それでも私たちの為すことに意味があると信じることだ。そんなことは事後になってもわからないかもしれない。しかし、それでも意味があることに変わりはない。歴史には亡くなった後のほうがよほど大きな影響力を発揮した人物がいくらでもいる。(pp.19-20、文庫版)」


量子と情報――量子の実在と不確定性原理

量子と情報――量子の実在と不確定性原理

  • 作者: 小澤正直
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2018/11/10
  • メディア: Kindle版








Hope In The Dark~Rebecca Solnit

Hope In The Dark~Rebecca Solnit

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: ペーパーバック



Kindle版じゃないののリンクが検索で出てこないのがちょっと残念。
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Does the coexistence of literal and figurative meanings in metaphor comprehension yield novel meaning?: Empirical testing based on quantum cognition [研究業績]

比喩理解を対象に量子認知のフレームを使って研究した論文が出版されました。

Fuyama, M. (2023). Does the coexistence of literal and figurative meanings in metaphor comprehension yield novel meaning?: Empirical testing based on quantum cognition., Frontiers in Psychology, 1146262.

結果はクリアではないのですが、手法が単純だし、なぜだか比喩理解研究界隈で検討されてこなかった仮説なので、書いてみました。
比喩文には字義通りの解釈と比喩的な解釈の少なくとも二つがありえるけれど、その文の意味は両方の意味の足し合わせ以上なのかどうかを調べました。たとえば「彼は赤ちゃんだ」に対して、実際に乳幼児だという意図の場合と、精神的に未熟だという意図の場合があり得ます。文脈からどちらかわかったとしても、もう片方の意味も引きずって理解されないかなあという思想です。その足し合わせに還元できない状態の一例として重ね合わせ状態かどうかを調べました。
最後の議論としては、そもそも先に字義とか比喩とかの意味があるのではなくて、文の意味の状態があって、それが字義とか比喩とかに解釈されるだけでは、というもうちょい別のことを書いています。

『圏論の地平線』でこの比喩理解認知のアイディアについて話していて、それを実際にやった研究です。
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『認知科学』創刊30周年記念特集 [読書記録・日記]

『認知科学』の30周年記念特集号がjstageでオープンになりました。各分野のこれまでとこれからの誌上対談企画やシニア・中堅対談や若手の記事があります。企画・実行・編集に関わらせていただきました。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jcss/30/1/_contents/-char/ja?fbclid=IwAR0rVvjr-jWp-aM92bjuPqehD0JJ3nr4KqjudQRGwWb8F_J1O67eFBfM5IE

鈴木宏昭先生と本田さんの「洞察・推論・意思決定」の誌上対談はこちら。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/30/1/30_2022.071/_article/-char/ja

米田英嗣さんと私の「物語と芸術」の誌上対談はこれ。その他、合計7分野の誌上対談とシニア・中堅の対談、若手記事があります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/30/1/30_2022.077/_article/-char/ja

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『オーウェルの薔薇』 [読書記録・日記]

ソルニットの『オーウェルの薔薇』を読み終わった。すごく良かった。訳は、もちろん好みだと思うけど、個人的には『迷うことについて』の方が好きだったかも。こちらの本の方が少し固い感じ?

ソルニットの歩く場面もやっぱり良い。

『ほかの畑には何も植わっておらず、耕されたばかりの青白い白亜層のような鋤道があり、燧石がちりばめられていた。(中略)もの欲しさと好奇心に捕われた私は小路を降りて畑の縁に立ち、石を拾い上げてはいくらかを投げ捨て、またさらに拾い上げては、そのさまざまなかたちと、数えきれないほどの石に囲まれているという感覚でうっとりとなった。(p.148)」

オーウェルは死に瀕して、夢で迷っている(原著の情報がわからないのだけど)。

『彼の最後のノートには、彼が死の夢と呼んだものが語られている。「時には海や海岸の--より頻繁には巨大で壮麗な街路や船、そのなかで私はしばしば道に迷うのだが、いつも幸福感と日なたを歩いているという独特な感情をともなう。疑問の余地なく、これらの建物ほかのすべては死を意味する」(p.315)』

オーウェルの「ガンディーを想う」の引用部分も。これは元のを読んでみたい。孫引きばかりになっていしまうけど。

『「人間であることの本質とは、完全さを求めないことであり、時には信義のために実際に進んで罪を犯そうとすることであり、親しい交遊を不可能にしてしまうほど禁欲主義を推し進めたりしないことであり、個々の他人に対して愛情を注いだ当然の代償として、ついには人生に敗れて破滅する覚悟を持っていることなのだ。確かに酒や煙草等々は聖者が避けねばならない品々であるが、しかし聖者であることもやはり人間が避けねばならないものなのである。......多くの人びとは本心から聖者になりたくないのであるし、おそらく、聖者となるか聖者に憧れる少数の人びとは、人間らしくありたいという気持ちをあまり感じたことがないのだろう」
つまり彼は、みずから進んで苦難に向かうこと、苦難や自他の欠点を進んで受け入れようとする意思を、人間らしさのひとつとして、喜びの代価もふくみ込むものとしてとらえた。(中略)それは不完全で非理想的な美を見る新しい能力なのだ(pp.315-316)」

オーウェルの血筋や薔薇の工場栽培も批判的に見ながら、場所場所でオーウェルの日記を読み、最後に「オーウェル的」という言葉を反転して、帯にある「花の美。喜び。そして抵抗」について書かれていて、とても好き。
変わっていくこと、その瞬間瞬間の喜び、それを凍結して取っておこうするのではなく、また次の瞬間瞬間と感じること、不完全さ、そういうものを美しいと感じることを感じる本だった。ちなみに、戦場のバタートーストの話もとても好きだった(敵方に「バタートーストだぞう!」と叫ぶ話)。

読み始めてすぐに気がついたのだけど、私はオーウェルの『1984』を読んだことがない。『華氏451度』と混ざっていたみたい。買ってみた。というか、オーウェルの本、面白そうだから、他のも読んでみたい。


オーウェルの薔薇

オーウェルの薔薇

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2022/11/15
  • メディア: 単行本




迷うことについて

迷うことについて

  • 出版社/メーカー: 左右社
  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: 単行本




一九八四年 (ハヤカワepi文庫)

一九八四年 (ハヤカワepi文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/08/01
  • メディア: Kindle版




華氏451度〔新訳版〕

華氏451度〔新訳版〕

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/07/28
  • メディア: Kindle版



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