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ヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』 [読書記録・日記]

ヴァージニア・ウルフの『自分ひとりの部屋』を読んだ。フェミニズム評論の古典と裏表紙にあるように、有名だと思うのだけれど、これまで読んだことがなかった。何度か引用されている本を見て気になっていて、先日のソルニットの本繋がりでやっと読んだ。
フェミニズム評論としてはもちろんだけれど、物語形式で語られていて、情景や思考が美しく、楽しかった。ウルフはあまり読んだことがないけれど、いつも、最初に物語に入り込むまで、少しその書き方に慣れない。だけれど、一回入ってしまうと、とても楽しい。そして、芸術や文学の論考としてもとても面白かった。

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これらの本を読むと、まるで診察台に横になり五感に手術を施されたようで、以前よりもっと鮮明にものが見え、世界は覆いを剥がされ、より強烈な生命を与えられたように感じます。非現実ときっぱり決別して生きているのは羨むべきひとたちで、頭を打たれてもそれとわからず気にもしないのは哀れむべきひとたちです。したがって、お金を稼いで自分ひとりの部屋をお持ちくださいと申し上げるとき、わたしはみなさんに<現実>を見据えて生きてくださいとお願いしています。<現実>を前にした人生は、それを本に書いてひとに知らせることができるかはともかく、活気のあるものになるでしょう。
------(pp.190-191、ペーパーバック版)-------


自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)

自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)

  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2015/08/25
  • メディア: 文庫



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