三十二日目 川上弘美『パスタマシーンの幽霊』 [読書記録・日記]
三十二日目は川上弘美『パスタマシーンの幽霊』。
---(引用)----
あたしたちは、穴に住んでいます。連れてきた女のひとも、もうあたしたちの一人になってまじってしまったので、「女のひと」ではなく、ただのあたしたちになりました。穴の上に潮が満ちるとき、あたしたちは、じっと海の水のにおいをかぐ。潮が引くと、あたしたちは空を見上げる。空の色はたくさんあって、あたしはうすむらさきが好きです。あたしたちのうちの、ちがうあたしは、灰色が好きだと言います。
----(p.14、「海石」、新潮文庫)----
この話(「海石」)は海の話だから、てっきり『龍宮』(川上弘美)に入っていると思っていたけれど、ちがった。詩みたいな話。夕日や朝日のうすむらさき、私も好き。
---(引用)----
あたしたちは、穴に住んでいます。連れてきた女のひとも、もうあたしたちの一人になってまじってしまったので、「女のひと」ではなく、ただのあたしたちになりました。穴の上に潮が満ちるとき、あたしたちは、じっと海の水のにおいをかぐ。潮が引くと、あたしたちは空を見上げる。空の色はたくさんあって、あたしはうすむらさきが好きです。あたしたちのうちの、ちがうあたしは、灰色が好きだと言います。
----(p.14、「海石」、新潮文庫)----
この話(「海石」)は海の話だから、てっきり『龍宮』(川上弘美)に入っていると思っていたけれど、ちがった。詩みたいな話。夕日や朝日のうすむらさき、私も好き。